青志社

向谷匡史/著 『安藤組外伝 白倉康夫 殉心』

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安藤組外伝 白倉康夫 殉心
向谷匡史/著
『安藤組外伝 白倉康夫 殉心』
激闘と覚悟!漢たちのドラマ!安藤昇を魅了した男

発行日: 2020年4月15日
定価: 本体1,500円+税
サイズ: 四六判並製
ページ数: 280ページ
ISBN: 978-4-86590-101-6

【内容】

痛快無比! ノンフィクションノベル

善良な市民を食い物にする連中はワルだ。
そのワルを食い物にする人間はワルかそれとも正義の味方か


 二〇一五年十二月十六日午後六時五十七分、元安藤組組長で組解散後は映画俳優として昭和を駆け抜けた安藤昇氏が、波乱の人生を閉じた。享年八十九歳。体調を崩し、東京医療センターに入院して十二日目の急変だった。
 安藤さんは、小説『白倉康夫自伝』を書き進めていた。
 亡くなる前年、安藤さんは米寿の記念として書の作品集『男讃歌』を上梓し、さらに同年夏にエッセイ集『男の品位』を脱稿したあとで、こう言った。
「俺が書くのは、あと一作だな。白倉の半生記を書いて、それでも元気にしていれば食のエッセイ集?でも書くか。白倉に気持ちを聞いてみてくれよ」
 くわしくは本書に記すが、白倉氏が安藤さんと初めて顔を合わすのは二十五年前、敬天新聞が創刊される一九九三年の春先のことだった。
 当時、大物総会屋として名を馳せていた高田光司氏が伴って事務所に見え、「いま売り出しの男です」と言って紹介した。
 白倉氏は私より一つ年下で、このとき四十二歳。濃い眉に鋭い眼光、小鼻が張って存在感があり、ニコリともしない。男として脂が乗りきっているとは、こういう人間のことを言うのだ ろうと感心した記憶がある。精悍を通りこして獰猛な印象だった。ナッパ服と呼ばれる作業着の上にライフジャケットのような無骨なベストを着て、足元は登山にでも行くような編み上げの安全靴を履いていた。
「渋谷のヤミ市を思い出すな」
 白倉氏の服装(なり)を見やって安藤さんが笑った。
 安藤さんが逝って丸四年が過ぎ、未完の小説『白倉自伝』は澱のように私の頭の片隅に留まっていた。構想の段階からお手伝いしてきた私は、安藤さんの意志を継いで書かねばなるまいと決意はしていた。データはすでに整理してあり、何度かパソコンに向かったが、(この場面は安藤さんならどう書くだろうか)
 という思いに何度も手が止まり、その都度、白倉氏と会って補足取材をしつつ、気持ちに折り合いをつけた。
「善良な市民を食いものにする連中はワルだ。これは間違いない。じゃ、そのワルを食いものにする人間はどういうことになる? ワルか、それとも正義の味方か」
 安藤さんのこの言葉を世間の不条理に重ね合わせ、小説的手法で白倉康夫氏の破天荒な半生をトレースしたとき、そこに何が見えてくるのか。
 人の悪口はもちろん、とやかく評することの一切なかった安藤さんは、同様に人のことを誉めることもなかった。誰もがそれぞれ自分の信ずる人生を歩んでおり、その道の是非を他人が口にすることを僭越とする、安藤さんの人生観だった。
 そんな安藤さんが可愛がった若い人は何人もいるが、「あいつは面白いね」という言い方で評したのは、私が知る限り、白倉氏ひとりだった。「面白い」という表現は万事、控えめであることをもって男の美徳とする安藤さんの最大の褒め言葉でもある。
 −−なぜ、安藤さんは白倉という男に魅了されたのか。一方の白倉氏は、なぜ安藤さんの薫陶に心酔し、殉じようとしたのか。
 それが知りたくて、二人の思いをそれぞれの視点から辿った。本書を「安藤組外伝」とし、題名を造語の「殉心(じゅんしん)」とした所以である。
−−プロローグより



【目次】
プロローグ
第一章 初嵐(はつあらし)
第二章 凍凪(いてなぎ)
第三章 炎風(えんぷう)
第四章 春疾風(はるはやて)
第五章 青嵐(せいらん)
安藤昇からの書簡−−義憤にして侠の勇なり
あとがき

【著者プロフィール】

向谷匡史 むかいだに ただし

一九五○年、広島県呉市出身。 拓殖大学を卒業後、週刊誌記者などを経て作家に。浄土真宗本願寺派僧侶。日本空手道「昇空館」館長。保護司。 主な著作に『田中角栄「情」の会話術』(双葉社)、『ヤクザ式最後に勝つ「危機回避術」』(光文社)、『安藤昇90歳の遺言』(徳間書店)、『小泉進次郎「先手を取る」極意』、『田中角栄の流儀』、『熊谷正敏稼業』、『渋沢栄一「運」を拓く思考法』、『アイチ 森下安道 武富士 武井保雄 二人の怪物』(青志社)など多数ある。
[向谷匡史ホームページ] http://www.mukaidani.jp

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