青志社

大下英治/著
『ショーケン 天才と狂気』

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ショーケン 天才と狂気
大下英治/著 
『ショーケン 天才と狂気』
ショーケン没2年 いま明かされるもうひとりの萩原健一

発行日: 2021年5月15日発売
定価: 本体1870円(税込)
サイズ: 四六判上製
ページ数: 464ページ
ISBN: 978-4-86590-116-0

【内容】

その68年の生涯に迫ったドキュメント
女、仕事、金、彼はなぜ人を惹きつけたのか なぜ疎まれたのか
誤解と苦言をものともせず自由人として生きた昭和の天才。
証言から迫った実像と虚像

ショーケンの真実≠語る

岡本富士太 奥山和由 小倉一郎 恩地日出夫 柏原寛司 倉本聰 小松政夫 柴俊夫 高橋惠子 高橋伴明千葉真一 戸正啓 蜷川有紀 三田佳子 八名信夫 山本又一朗 吉本暁弘 竜雷太の諸氏
そのほか多くの関係者の方や、名前を明かすことの出来ない方たちから取材協力を得ました。
大下英治


わたしは、ショーケンのファンである。特に役者としてのショーケンのファンである。歌手としてのショーケンにも、歌の上手さというより、なんともいえないはぐれ者のせつなさにしびれる。(略)
わたしは、今回、ショーケンと関わった役者、監督、プロデューサーを一年がかりで徹底的に取材。ショーケンを役者として遠く眺めているのでなく、身近に接した人たちは大変だったらしい。チャーミングな笑顔の裏に狂気じみた一面を秘めていた。深作欣二監督のように「ショーケンのあの狂気が魅力だ」と平然と語る人もいるが、取材を重ねるにつれ、多くの人を手こずらせたことがよくわかった。しかし、その内のかなりの人は、「それでも時が経つと、やはり懐かしい……」と言葉を湿らせた。(略)
もっともショーケンと多く共演した女優の高橋惠子いわく、「松田優作も萩原健一も、『男に惚れられる男』だった。男性にそう思われるのは、そう簡単なことではない。不良性感度は高いが、ただの不良ではない。萩原健一の笑顔はとても純粋で、相手を思う優しさにあふれていた。さらにいろいろな経験をして、いい表情でいられるような境地に達していたのに……」
芸能人にとって危険な愛は「芸の肥やし」と寛容に見られていた「最後の砦」でもあった芸能界も、今や倫理に厳しく、一般人以上に制裁を受けるようになっている。そういう締めつけの強い時代だからこそ、ショーケンの生き様が懐かしく逆に輝きを放ってくる……。
「はじめに」より

【目次】

はじめに

序章 出生の秘密

第一章 スター、ショーケン
どこか憎めない不良少年
ザ・テンプターズ
范文雀との恋
人生を変えた『約束』との出会い
岸恵子との熱い関係
スターへの道『太陽にほえろ!』
「マカロニ刑事」登場
石原裕次郎の評価
ショーケンと最も多く共演した女優"
マカロニ刑事、殉死
ジーパン刑事のこと
市川崑監督の『股旅』で新たな魅力を
ショーケンにキレた小倉一郎
神代辰巳監督の『青春の蹉跌』で一皮むける

第二章 時代を背負う
伝説となった『傷だらけの天使』
名コンビ"水谷豊の存在
いまのテレビドラマにない超人間ドラマ
少々羽目を外しても、好かれる人間には好かれた
小松政夫が見たショーケンの素顔
メンズ・ビギ
『前略おふくろ様』誕生秘話
脚本家倉本聰の計算
桃井かおりとの本当の仲
脇の役者にめぐまれた
ピラニア軍団、川谷拓三と室田日出男
「芝居はリングですからね」倉本聰
小松政夫を怒らせたショーケンの暴言
萩原健一は「フリオ」岩城滉一は「明るい不良少年」の意味

第三章 てっぺん
俳優山崎努から学んだこと
いしだあゆみとの熱愛再婚
『影武者』とショーケン
ショーケン、勝新太郎降板劇とクロサワを語る
『魔性の夏 四谷怪談より』で、再び小倉一郎と衝突
『誘拐報道』ショーケンの狂気と小柳ルミ子の決断
ノーメイクと減量、ガラスの神経
秋吉久美子が震え上がった
凄まじい狂気の演技
その刮目すべきアドリブ
「トップを走りたい。二位じゃ意味はないんだ」

第四章 一人ぼっち
普通の男性を演じるショーケンの評価
エロスの世界にハマる
蜷川有紀がかもし出すエロスの香り
俳優からアイデアを引き出す神代辰巳の監督術
「エグいのやろうよ」
樋口可南子の股間に向けたショーケンの過激演技
ワイルドでナイーブ、それがショーケン
大麻逮捕と母の自死
ショーケンとプロデューサー奥山和由
連城三紀彦原作『恋文』はショーケンがモデル
倍賞美津子との激愛
鈴木清順の世界
映画は娯楽であり、見世物である
樹木希林から学んだこと
一人ぼっち
沢田研二、田中裕子の恋とショーケン
「優作はおれの真似ばかりしている」

第五章 復活の日
新境地を拓いた『瀬降り物語』への挑戦
ショーケンのお守役、室田日出男
暴走列車、ショーケン
『南へ走れ、海の道を!』で眉を剃り落とす
「あの奥山をぶっ殺してやる」
三田佳子が身構えたラブシーン
耐え難いコンプレックス
画面を面白くする
関西ヤクザは似合わなかった
大河ドラマ降板劇
深作欣二が褒めるショーケンの狂気
いい役者として認められたい
「ショーケンは最後まで俳優になり切れなかった」千葉真一
八名信夫によるとショーケンは、
「ショーケンは人を信じるという力をどこかで失っていた」奥山和由
「ショーケンがすごく安定していた時期のドラマ」脚本家柏原寛司

第六章 熟年時代
『課長サンの厄年』布袋寅泰と組む
「おれは四十二歳だ。おまえのお父さん、いや、爺さんだと思って扱えっ」
予想だにしない演技に鳥肌が立った
石田えりへの愛、倍賞美津子との破局
ショーケンの才能
「萩原健一が来た!」と怯える人たち
最後の主演映画『居酒屋ゆうれい』
山口智子への片思い
本気で口説かれているのがわかった
室井滋が見た、ショーケンの自分流、完璧の流儀"
喜劇役者としての才能
豊川悦司への嫉妬心
ラブレター騒動

第七章 再度の転落
「日本刀の上を素足で歩く、おれと恋愛するってことは、そういうこと」
ショーケンとスタッフの中和剤となった柴俊夫
ショーケンへのリベンジ
「貴様っ!  これで一回死んでこいっ」…幻となった岸恵子との二十五年振りの共演萩原健一、三番目の妻との折り合い
京都、寂庵にあったショーケンの部屋
一度だけ、ぽつりと「孫ができたよ」とショーケン
身内でも信用できなかった
恐喝容疑で逮捕、そして離婚

第八章 男に惚れられる男だった
ショーケンという「孤独」
映画版『傷だらけの天使』はなぜ中止になったのか
「ショーケンはトラブルメーカーなんかじゃない」
主役の小栗旬にキレかかったが
七年のブランクを超えてのライブコンサート
モデル、冨田リカとの結婚

おわりに

【著者紹介】

大下英治 おおした えいじ
1944年、広島県に生まれる。1968年3月、広島大学文学部仏文科卒業。
1970年、週刊文春の記者となる。記者時代「小説電通」(徳間文庫)を発表し、作家としてデビュー。さらに月刊文藝春秋に発表した「三越の女帝・竹久みちの野望と金脈」が反響を呼び、岡田社長退陣のきっかけとなった。1983年、週刊文春を離れ、作家として政財官界から芸能、犯罪、社会問題まで幅広いジャンルで創作活動をつづけている。
著書に『映画女優 吉永小百合』、『高倉健の背中』(朝日新聞出版)ほか、『稲川会 極高の絆 二人の首領』、『昭和、平成秘録憂国℃膜盾フ男たち』、『襲撃 裏社会で最も恐れられた男たち』、『許永中独占インタビュー「血と闇と私」』(小社刊)や、『内閣総理大臣』(エムディエヌコーポレーション)など、著作は450冊以上にのぼる。

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