青志社

高橋奈里/著
『父の最期を看取った日々』

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父の最期を看取った日々
高橋奈里/著
『父の最期を看取った日々』
父と子がつむいだ去りゆく時の物語

発行日: 2022年7月22日発売
定価: 本体1500円+税
サイズ: 四六判並製
ページ数: 248ページ
ISBN: 978-4-86590-143-6

【目次】

第一章 虫の知らせ
第二章 最後の入院
第三章 高橋三千綱の生き様
第四章 家族で介護の現実
第五章 楽天家は決してあきらめない
第六章 父を家で看取る
あとがき



【内容紹介】

戦後文学会を一世風靡した高橋三千綱末期の光景

娘にあてた置き手紙
自宅で終末ケア、それは父と娘が向き合えた奇跡の4か月。

「強い夢は実現する」
父、三千綱は命令する一方の人だったが、私の人生の大きな節目には必ず、助言をくれた。
そのおかげで今の自分があると自負できることがうれしい。
                       高橋奈里

「本を読め」と小さな頃から父に言われていたが、全く本に興味を持てなかった私。
 家中本だらけで、逆に拒絶反応を起こし、漫画の字を読むことさえ億劫だった時期もあった。キッカケは父の死を父の友人たちに向けて伝えた事だった。
 生前、Facebook を通し友人たちに向け、死の直前まで自身の体調を赤裸々に綴っていた父。長年に渡り、父は自らの闘病の様子を写真付きで報告し、友人たちに生きる希望を与えていた。
 2021年6月半ば頃(父が亡くなる2か月前)から、投稿内容が弱々しいものになっていった。そんな中、亡くなる1か月前に投稿した内容は、作家としての生き様を見せつけた内容だった。
「明日のない部屋に金魚が3匹やってきた。いつまで一緒に息をしていられるか分からないが、この金魚がいる間、毎日一枚ずつ書いていこう。亡き父が書き残した資料をもとにたとえ30枚でも合作小説を続けていきたい」
 この時の父は、携帯を持つことすら辛い状況だった。
 それでも父は、友人たちに自分の生き様を伝えようと、何時間もかけてFacebook へ投稿していた。
 そんな父の姿を間近で見ていた私は、父の友人たちには、メディアより前に、父の死を伝えなければと思った。しかし、文章を書くことを避けていた私にとって、父の死を文字で伝えることは容易な事ではなかった。
 家族葬を終えた日、なんとなく私は父からのテレパシーを感じた。
「奈里から友人たちにメッセージを。奈里から伝えてくれ」
 そして私は家族葬を終えたその日に、友人たちへ向けて近くに居たからこそ感じる事の出来た父の生き様、そして父の死を文字に起こした。
 私が伝えた文章に、父の友人たちの中には涙してくれる人もいた。
 この時、生まれて初めて、文字だけで人の感情が動く事を知った。
 父は自分の死と引き換えに、私に書く機会を与えてくれた。
(あとがきより)

【著者紹介】

高橋奈里(たかはし なり)


1979年11月12日、東京生まれ。
父親は、作家の高橋三千綱。
中学高校と剣道に打ち込み、中学時代には都大会団体3位、高校時代には三段取得。
明治大学短期大学卒業後2年間の遊学期間を経て、リクルート求人広告代理店に100%新規営業職として入社。
翌年には新人賞を受賞し、3年目には営業マネージャーに昇進。
7年間の営業経験を経て結婚を機に人事職へと転職。32歳の時に生死を彷徨う大事故に遭うも奇跡の生還。その後、35歳で、ロサンゼルス在住の現在の夫と結婚を機に妊娠9か月でロサンゼルスへ移住。
移住後1か月後には娘を出産。現在は、ロサンゼルスを拠点にパラレルワーカーとしてレストラン、人材会社のリクルーターとして仕事をしながら、2021年、カウンセラーとして開業。
コロナ渦の2021年春、重病の父と一人介護にあたる母の窮状を察知し日本に戻る。
4か月に及ぶ自宅での闘病は、壮絶なものであったが今後の人生を生きる上で貴重な財産となった。


「父の最期を看取った日々」
高橋三千綱先生と20年付き合いのあった担当編集からのメッセージ

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