曽野綾子/著
『死ぬのもたいへんだ』
曽野綾子/著
『死ぬのもたいへんだ』
都合よく死ねないから人生はおもしろい
発行日
: 2017年5月13日発売
定価
: 本体900円+税
サイズ
: 新書判
ページ数
: 224ページ
ISBN
: 978-4-86590-045-3
【内容】
本書は曽野先生の豊富な人生経験を元に、「死に方」「死なせ方」「生き方」「生かせ方」をユーモアとペーソスを織り交ぜながら綴った目からウロコの指南書です。
●どれだけこの世で「会ったか」で、豊かさがはかられる
●死を考えることは、その人の生涯を香りよくする
●人でも物でも充分に使いきって死ねたら本望
●昆虫のような死も悪くない
●老人の味をうまく引き出すスープ
●お金もためて出さないのは健康によくない
●家族は棄てられないから問題が深刻になる
●跡形もなくこの世から消えるレッスン
●生が充実していると死にやすい
二〇一七年二月に、私は夫を失った。
その変化の故に、こういう題の本が生まれたというわけでもない。私は人生の半ばにさしかかるにつれ、人生のしまい方をあちこちで見て、自戒の種ともし、新しい発見ともしていたのである。
生老病死は、どれも必然である。
生は別として、昔、一神教の世界では、老、病、死は、その人が現世で犯した罪の結果、すなわち罰と考えられていた。しかしキリスト教が発生してから―聖書的に言うと新約聖書の世界が確立してから―老病死は、人間の生涯の普遍的な結果として受け取られるようになった。
考えてみれば、死ぬのも大変なら、生きるものも大変なのである。
まえがきより
【目次】
まえがき
第1章
いまある自分に感謝する どれだけ本意で生きてこられたか
第2章
自分を「お年寄り」扱いしない まわりの年寄りをじっくり観察する
第3章
老化も認知症も哀しいけど正視しなければならない 正視こそ成熟した人間の証
第4章
「善い人」と思われなくてもいい もう浮世の義理をやめて、自分の物差しで生きる
第5章
家族は棄てられない。友人との関係はソコソコにする 依存「する」のも「される」のもあり
第6章
後始末は早くから始めておかないと難儀する 必要なものはほとんどないし、迷惑は残さない
第7章
死のその時まで学びつづける 自分はどういう使命を帯びてこの世につかわされたのか
第8章
もういいだろうと言って死にたい 自分らしく「よく生きた」と納得して旅立つ
【著者紹介】
曽野綾子(そのあやこ)
1931年東京生まれ。作家。聖心女子大学文学部英文科卒業。『遠来の客たち』(筑摩書房)が芥川賞候補となり、文壇にデビューする。1979年ローマ教皇庁よりヴァチカン有功十字勲章を受章。2003年に文化功労者。1972年から2012年まで、海外邦人宣教者活動援助後援会代表。1995年から2005年まで、日本財団会長を務めた。『無名碑』(講談社)、『天上の青』(毎日新聞社)、『老いの才覚』(KKベストセラーズ)、『人生の収穫』(河出書房新社)、『人間の愚かさについて』(新潮社)、『人間の分際』(幻冬舎)、夫で作家の三浦朱門との共著『我が家の内輪話』(世界文化社)『私の危険な本音』(小社刊)など著書多数。
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