阿部 憲仁／著『人格形成は３歳まで』

阿部 憲仁／著 『人格形成は３歳まで』 最新凶悪犯罪に基づく子育ての参考書 発行日： 2020年10月14日発売 定価： 本体1600円＋税 サイズ： 四六判並製 ページ数： 264ページ ISBN： 978-4-86590-140-5 【内容紹介】 あなたがたった一つ子どもに望むとしたら？ 親という「環境」が子の人格を決定する どういうふうに育てたらどういう人間になるのか？ 日本中を震撼させた28の事件から見えてきたもの 本書は、昨今日本社会で発生した凶悪犯罪を犯した者たちの「生い立ち」「犯行」「人格」を徹底的にパターン分析し、法則化したものである。 京王線のジョーカー服部恭太、相模原障がい者殺人の植松聖を始め、登場する複数名とは実際にやり取りを重ね、肌で感じた直感も分析の一助としている。 きっとあなたは読み進めて行く内に彼らの間に様々な共通点があることに気付くことと思う。 元々『やさしい気持ち』を持って生まれてきた彼らが、どういった家庭の歪み（＝『家庭内力学』）によって社会からモンスターと呼ばれる存在に変貌してしまったか、あなた自身で感じ取って欲しい。 阿部憲仁 私は、国際社会病理学者として、これまで連続殺人犯、大量殺人犯、ギャング、マフィア、白人至上主義者等、数多くのアメリカの凶悪犯罪者たちと直接やり取りを重ね、彼らの家庭環境と犯罪タイプを含めた人格分析に努めてきた。 それと並行して日本の刑務所でも特に処遇困難とされる受刑者や満期出所者（仮出所できない）を中心に20年間面接員を務め、中学、高校、大学受験予備校、大学、アメリカの短大と大学に加えて、教員の免許更新講習や社会人教育を含め、40年近く実際の教壇に立ってきた。 本書はこれまでの「家庭環境」と「凶悪犯罪」の研究に基づいて一般家庭の子育てに役立つような参考書を作って欲しいという、複数の要望に応える形で書いた本である。 私は、教育学博士としての自分の役割は、実際に犯罪を犯してしまった者たちの家庭環境と人格を日米にまたがって理解し、子どもたちをどのように育て、社会をどのように運営すれば本当の意味で社会が安心・安全な場所になるのか？を限りなく明確にし、社会に還元することだと考えている。 そうした意味で、この「子育てマニュアル」は、失敗した者たちから学ぶ「こう育ててはいけない」という反面教師的なマニュアルと言える。 本書を手に取って頂いたあなたにたった一つだけ尋ねてみたいことがある。 それは、あっという間の人生の中で、あなたがたった一つ子供に望むとしたら、一体何を望むだろうか？　ということだ。 私自身の答えは「やさしいだけで宝（もの）」（斎藤一人）であると思っている。 「やさしい人に育ってさえくれれば、それ以上何もいらない」。 繰り返しになるが、やさしい人になってくれるだけで、社会にはその性格を評価してくれる人がいて、その子は必ず生きていける。 自分のいなくなった後も、自分の子どもがどこかで元気で幸せに生きていける。 親としてそれ以上の幸せはない筈だ。 自分の子どもの代わりに多くの過ちを犯した者たちを見てきた私は心からそう信じている。 「まえがき」より 【目次】 人格形成は３歳まで　最新凶悪犯罪分析に基づく子育ての参考書　目次 まえがき　あなたがたった一つ子どもに望むとしたら 第一章　臨界期の家庭の在り方が生涯の人格を作る 安倍元総理を射殺した山上徹也の家庭環境と人格形成 感情基盤形成の「臨界期」が最も大切な理由 山上の犯行は母親の愛情のネグレクト ３歳までの家庭内力学　基本原則編 子どもをどのように育てたら、どのような人間になるのか？ ７つの基本原則一覧 子供を取り巻く環境を「家庭内力学」と呼ぶ 直接的ネグレクト、心理的ネグレクト、過保護の負の度合い 極端な虐待やネグレクトでなくとも人格は決定的に歪む 肉体的虐待と精神的虐待 第二章　男たちの凶行　考察編１｜幼い頃の環境… 愛情がネグレクトされた子どもの爆発 京王線刺傷事件　服部恭太 24歳 大阪ビル火災事件　谷本盛雄　61歳 京都アニメーション放火殺人事件　青葉真司　41 歳 小田急線刺傷事件　対馬悠介　36歳 スケープゴートにされた子ども 川崎登戸事件　岩崎隆一　51歳 東海道新幹線内殺傷事件　小島一朗　22歳 コミュニケーションが欠けていた家庭 愛知中３刺殺事件　少年Ａ　14歳 第三章　男たちの凶行　考察編２｜親からの抑圧 家庭外の活動に固執した親 元厚生労働事務次官連続殺人事件　小泉毅　46歳 過剰期待の結末 東京大学前刺傷事件　少年Ｂ　17歳 元農水事務次官長男殺害事件　熊沢英昭　76歳 過保護による自爆系人格 埼玉医師銃殺事件　渡辺宏　66歳 甲府放火殺人事件　少年Ｃ　19歳 第四章　男たちの凶行　考察編３｜コントロールできない怒り 連続殺人犯が持つ心の闇 寝屋川市中１男女殺害事件　山田浩二　45歳 茨城一家殺傷事件　岡庭由征　26歳 光市母子殺害事件　少年Ｄ　18歳 立川ホテル男女死傷事件　少年Ｅ　19歳 いじめのターゲット 川崎市中１男子生徒殺害事件　少年Ｆ　18歳 東名高速夫婦死亡事故　石橋和歩　26歳 動物虐待で心の怒りを放出 千葉地域猫空気銃殺害事件　平田雄一郎　49歳 ハイブリッド│自殺願望と執着の果て 相模原知的障がい者施設殺傷事件　植松聖　26歳 座間９人殺害事件　白石隆治　27歳 第五章　女たちの凶行　考察編４　金と愛情への執着 愛情への病的執着　極度の愛情ネグレクト 大阪２児餓死事件　下村早苗　23歳 大和市７歳男児殺害事件　上田綾乃　42歳 金への病的執着　密閉ネグレクト 紀州ドンファン死亡事件　須藤早貴　22歳 福岡５歳児餓死事件　赤堀恵美子　48歳 首都圏連続不審死事件　木嶋佳苗　34歳 和歌山毒物カレー事件　林真須美　37歳 第六章　家庭における親子の在り方｜子育てマニュアル12の法則 ネグレクトと虐待を防ぐために 考察した事件全体を見直してみよう 男性　単発自爆型（ネグレクト系環境） 男性　犯行継続型（虐待系環境） 女性　犯行継続型（虐待系環境とネグレクト系環境） 子育てマニュアル１ ｜家庭内力学の背景　 家庭は、子どもが社会に出る準備の場 子育てマニュアル２ ｜家庭内力学の背景 親はもう一度自分自身の性格や行動を見つめ直そう 子育てマニュアル３ ｜家庭内力学の背景 子どもが自立して生きていける力をつけてやる 子育てマニュアル４ ｜家庭内力学の背景 親が子に愛情を与えなければ「人」として育つことはできない 子育てマニュアル５ ｜家庭内力学の背景 家庭はすべてを吐き出すことのできる「安全な避難所」のはず 子育てマニュアル６ ｜家庭内力学の背景 親の夢を押しつけるのは、子どもを出口のないトンネルへ追い込む 子育てマニュアル７ ｜家庭内力学の背景 物心がつく前に植え付けられた攻撃性は、「モンスター」を生む 子育てマニュアル８ ｜家庭内力学の背景 親によって「対人恐怖」になった子どもは、ある時から、いじめを行う人間に変貌 子育てマニュアル９ ｜家庭内力学の背景 常態化した家庭内のストレスは、他者を傷つける人格へと心を歪める 子育てマニュアル10 ｜家庭内力学の背景 親であるからには自分の人生は「子どもとあるのだ」という意識を 子育てマニュアル11 ｜家庭内力学の背景 子育ての主役はあくまで「母親」である 子育てマニュアル12 ｜家庭内力学の背景 思春期の女児の自然な欲求は過剰に押さえつけるべきではない 無差別殺人誕生のルールとは 日本社会ならではの特徴を見る 侵さず、殺さず、公平にするというルール 「子育て」というのは、子供という「生きモノ」を育てる行為である 終わりに 【著者紹介】 阿部 憲仁(あべ けんじん) １９６４年生。国際社会病理学者（桐蔭横浜大學法学部教授／府中刑務所篤志面接員）。 アメリカを中心に「究極の凶悪犯罪」の研究を基に、真の「社会の安全」と「人間の幸せ」のあり方を提言。犯罪を犯す者たちの考え方に精通するＤＲクリミナルマインドとして活躍。 ニューヨークのゴッドファーザー、プリズンギャングの総督、黒人ギャングのクリップス＆ブラッズの幹部、「サムの息子」チャールズ・マンソンを始めとする連続殺人犯＆大量殺人犯、バイカーギャングのリーダー、白人至上主義団体ＫＫＫのリーダー、テロリスト等、数多くの「究極の凶悪犯罪者」たちと直接やり取りを交わす一方、広島・長崎の被爆者代表を初めてノーベル平和賞に招待。ロシアのウクライナ侵攻ではイギリス政府とＥＵに人格分析に基づく戦略的アドバイスを提出。英国外務・英連邦・開発省（FCDO）及び、欧州連合対外行動局 (EEAS)と意見交換も行った。 著作物に「無差別殺人者の正体（学文社）」、「教育問題の答（論創社）」他がある。 座右の銘：「唯一命の宿る惑星を再生するカギは、生きものを大切にすることに尽きる」

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