青志社

堀江貴文 三輪綾子/著『女性の「ヘルスケア」を変えれば日本の経済が変わる』

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女性の「ヘルスケア」を変えれば日本の経済が変わる
堀江貴文 三輪綾子/著
『女性の「ヘルスケア」を変えれば日本の経済が変わる』
企業に伝えたい。我が国の女性の健康問題による「労働損失」は年間4911億円。この問題の重大さに気づいて欲しい!

発行日: 2022年6月10日発売
定価: 本体1400円+税
サイズ: 四六判並製
ページ数: 256ページ
ISBN: 978-4-86590-136-8


【内容紹介】

「多くの女性に勇気と希望を与えてくれる一冊です」野田聖子
Femtech振興議員連盟会長 自由民主党衆議院議員

フェムテックを応援します!

解決に男性や企業のサポートが必要なのはなぜなのか!

「ガン・HPVワクチン」「低用量ピル」「人工妊娠・中絶」「不妊」「妊娠・出産」「更年期」

女性のヘルスケア検定付き


そろそろ踏み出そう

 彼女たちは一体どこに行ったんだろう。
 僕はすごく不思議だった。
 僕の大学の同期の半分は女性だった。非常に勉強家で、真面目で、優秀な人が多かった。
 そしていま、世の中では「男女共同参画」が叫ばれている。「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」という目標も掲げられてきた。
 特に国会や地方議会の議員においては「女性の割合を一定以上にすべきだ」「格差是正のために性別を基準に議席数を割り当てる『クオータ制』を導入すべきだ」という意見が活発だ。
 だが、実態は皆も知っているように企業の取締役や議会議員に女性の占める割合はすごく低い。女性のほうが人口が多く、平均寿命も長いのに不自然である。
 しかし、社会は相変わらず男性優位のままだ。
 そして「2020年までに指導的地位の女性を3割に」との目標は達成されずに先送りとなっている。
女性の社会進出が進まない要因にはさまざまな問題がある。なかでも「男女の身体の違いに起因する『女性の健康問題』への男性の理解のなさ」と、「制度的なケアの不十分さ」の2つと、僕は考える。
 だから僕はいま、自分が理事を務める「予防医療普及協会」で、女性の健康に関わる社会的課題の解決に取り組んでいる。
 予防医療普及協会は、予防医療に関する最新の知見や情報を収集し、発信する組織である。
 同協会の理事である産婦人科医の三輪綾子先生との共著である本書も、その活動の一環だ。
 大半の男性は知識もなければ興味もない。これが、「深刻な社会問題」という意味も、「自分に関係のある問題」という認識も持っていない。
 この「意識の無さ」が女性の健康の問題点なのだ。
 もちろん最近は時代の変化とともに、「女性は毎月のように生理があって大変だ」といった認識を持ち「女性に理解を示そう」と努力している人も増えているはずだ。
 だが、僕がやりたいことは、「理解を示す」「事情を察する」というレベルで終わり、ではない。
 この社会を変える具体的なアクションを起こしてこそ、可能になってくるのだ。
堀江貴文

「重い生理痛」によって救急車で運ばれる女性が非常に多い

 産婦人科医の三輪綾子です。「なぜ女性の健康問題の解決がいま必要なのか」「その解決に男性や企業のサポートが必要なのはなぜなのか」について、私がこの問題に取り組むようになった背景にも触れながら、解説していきたいと思います。
 私が産婦人科医として勤務を始めてから驚いたことの一つが、当直のときに「重い生理痛」が原因で救急車で運ばれてくる女性が非常に多いことでした。
 女性たちが生理に伴う症状を我慢しがちな背景には、企業における女性のヘルスケア対策が不十分という問題があります。生理に伴う症状で苦しむ女性のなかには「どうせ会社に話しても理解してもらえない」と感じて、ただ辛い症状を隠して、我慢して、出社を続けている女性も多いのです。
 まったく同じ問題は、不妊治療に取り組む女性、妊娠・出産をする女性にも存在します。
不妊治療や妊娠・出産の時期に仕事を続けるのに苦労をしても、「話しても理解してもらえないし、周りの女性社員も同じ状況だったし、それは仕方のないことだ」と諦めている女性が多いわけです。
 こうした女性の健康問題を改善していくには、企業の積極的な取り組みが必要です。そのなかでは経営者や管理職の多くを占める男性たちが、この問題に関する知識と理解を深める必要があります。
 子宮頸がんは、女性が若くして罹患するがんの代表例です。乳がんも若くして罹患するリスクはありますが、子宮頸がんのほうは20代で発症する可能性があり、日本では徐々に増加しています。
 しかし海外ではHPVワクチンの普及と検診により、子宮頸がんの罹患率は低下を続けていて、「撲滅できるがん」とまで言われています。なおHPVワクチンとは、子宮頸がん発生の要因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンです。
 それにもかかわらず、日本ではワクチンの積極的接種の呼びかけが2013年6月から2022年4月まで中止されていました。その背景にはワクチン接種の副反応を懸念する報道がありましたが、後に安全性を裏付ける科学的なデータが次々と出てきてからも、なかなか積極的接種の呼びかけは再開されませんでした。
 その呼びかけが中止となっている時期、私は産婦人科医の一人として、「これは病院でただ診療しているだけでは問題は解決しないし、医師の立場から科学的に正しい知見を広めることが必要だ」と感じていました。そんな時期に堀江さんに声をかけていただいて、私は予防医療普及協会でHPVワクチンの普及啓発活動に取り組むことになりました。
 その活動のなかで私と堀江さんは、「女性の健康問題で解決が必要なこと、認知を広めなければいけないことって、HPVワクチン以外にもたくさんありますよね」「日本の女性のヘルスケアは海外に比べて遅れていますし、社会での優先順位がそもそも低すぎますよね」と女性の健康問題についてさまざまな会話を重ねるようになりました。また、低用量ピルについても、対談やセミナーの場で積極的に話すようになりました。
 そして私は、現代社会で働く女性の健康問題について、経営者向けセミナーで説明をする活動も予防医療普及協会で開始しました。そのなかで、「男性も気軽に手に取れて、この問題をザックリとでも理解できるような教科書的な本を作りたいよね」と堀江さんとも話すようになり、実際に誕生したのが今回の本というわけです。
三輪綾子




【目次】

序章 「女性の健康問題」の解決なくして女性の社会進出が進むわけがない 堀江貴文

第1章 生理の回数は100年前に比べ9倍!女性の「現代病」を社会で解決すべき 三輪綾子

第2章 子宮頸がんとHPVワクチンの問題を「政治を動かす」アプローチに! 堀江貴文

堀江貴文コラム@「予防医療についての効果的なプロモーション手法」

第3章 ピルの話題すらタブー視する空気は女性の社会進出の阻害要因だ 堀江貴文

第4章 生理と低用量ピルの基礎知識痛みの放置は疾患のリスクになる 三輪綾子

第5章 避妊、中絶を女性が自分で決める権利 三輪綾子

堀江貴文コラムA誰にでもできる「社会を変えるためにできること」

特別対談 衆議院議員宮路拓馬×三輪綾子 「フェムテック」が女性社会を変える

第6章 「不妊治療」は女性の心身の負担が大きく企業のサポートが必要 三輪綾子

堀江貴文コラムB「僕が女性の妊娠、出産について話せること」

第7章 妊娠・出産期に女性の身体は「タイムマシンに乗ったように変化する」 三輪綾子

第8章 更年期障害女性管理職を増やすにはケアの充実が必要 三輪綾子

堀江貴文コラム C「薬を使うことは身体拡張だ」

巻末対談 堀江貴文×三輪綾子 ヘルスケアとフェムテック市場の未来

特典 女性のヘルスケア検定



【著者紹介】

堀江貴文(ほりえ たかふみ)
1972年、福岡県生まれ。実業家。
SNS media&consultingファウンダー。ライブドア元代表取締役CEO。
ロケットエンジンの開発やスマホアプリのプロデュースのほか、予防医療普及協会理事として予防医療を啓発するなど幅広い分野で活動中。
会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」では、約1000名の会員とともに多彩なプロジェクトを展開。
『夢をかなえる「打ち出の小槌」』(青志社)、『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『多動力』(幻冬舎)、『ピロリ菌やばい』(ゴマブックス)など著書多数。

三輪綾子(みわ あやこ)
産婦人科専門医。THIRD CLINIC GINZA院長。
一般社団法人 予防医療普及協会理事。
予防医療普及協会では子宮頸がんの予防の啓発に注力するほか、女性のQOL向上を目指し、女性の健康についての経営者向けセミナーを行う「Qプロジェクト」のリーダーも務めている。
2019年より東京産婦人科医会広報委員/母体保護法委員。
株式会社GENOVA社外取締役。DMM オンラインサロン「フェムテックサロン」主催。

監修
一般社団法人予防医療普及協会

2016年3月、経営者、医師、クリエイター、社会起業家などの有志を中心として発足。予防医療に関する正しい知見を集め、啓発や病気予防のためのアクションをさまざまな企業や団体と連携し、推進している。これまでに、胃がんの主な原因である「ピロリ菌」の検査・除菌啓発を目的とした「ピ」プロジェクト、大腸がん予防の検査の重要性を伝える「プ」プロジェクト、子宮頸がん検査、HPVワクチンに関する正しい情報の発信・啓発を目的とした「パ」プロジェクト、糖尿病の予防啓発活動を行う「ポ」プロジェクトを実施。
歯周病予防の「ペ」プロジェクト、女性が我慢せず健やかに働ける社会を目指す「Q」プロジェクトが進行中。
各診療科の専門医、歯科医などが集い、それぞれの専門領域を超え、活動をサポートしている。
また予防医療オンラインサロン「YOBO-LABO」や、予防医療検定「YOBO 検定」なども行なっている。
一般社団法人 予防医療普及協会 https://yobolife.jp/

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