青志社

宮内康二/著『成年後見制度の落とし穴』

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成年後見制度の落とし穴
宮内康二/著
『成年後見制度の落とし穴』
他人事ではありません!気がついたら財産・遺産が危ない。人生100年時代の落とし穴 衝撃実例と実用集

発行日: 2022年7月8日発売
定価: 本体1760円(税込)
サイズ: 四六判並製
ページ数: 256ページ
ISBN: 978-4-86590-139-9

【内容】

強力推薦!
堀田力
(弁護士・福祉家)
「この激しい告発に家裁も弁護士もしっかり向き合ってほしい」
山崎元(経済評論家)
「後見を知らずして人生100年時代のマネーリテラシーは語れない」

人生100年時代の落とし穴 衝撃実例と実用集
立ち上がれ市民後見!
他人事ではありません!気がついたら財産・遺産が危ない。
いま社会問題となっています成年後見制度について実例をあげてわかりやすく解説した本です!
自分の老後と親亡きあとの気がかりな子供たちをどう守るか
「弁護士、司法書士などの後見人と、家庭裁判所などの行政へ!現状の改善と向上に向け告発する!」

 成年後見制度をご存じですか?
 認知症や知的・精神障害などで判断能力が不十分な人の代わりに、銀行へ行ってお金を下ろしたり、老人ホームの契約や支払いをする後見人を選び、その業務を監督する公的制度です。
 家族がいれば成年後見制度を使う必要はないと思う人は多いですが、それは違います。
認知症になると家族がいても銀行は、成年後見制度を使わないとお金を下ろさせてくれません。障害をもつ子供が成人になると、親御さんがいても後見人を立てないとお子さんを引き受けることはできませんと施設が言い出すのです。
 長生きすればするほど認知症になる確率が高くなります。事故などで高次脳機能障害になることもあるでしょう。その意味で、成年後見制度に関係のない人はほとんどいないと思います。
成年後見制度は、2000年4月に介護保険制度とともに施行されました。カラダの衰えは介護制度で、アタマの衰えは後見制度でサポートしていこうという2枚看板でスタートしました。
 私が、後見という単語を初めて知ったのは1999年、北九州市の小倉で、介護保険制度の原点である24時間在宅介護の基礎を創り上げた社会福祉法人せいうん会で行われた介護の質を高める研究会でした。
 理事長の榎本憲一さんが、「良かれと思って一生懸命介護サービスを提供しているが、当の高齢者が認知症等で意見を言ってくれない。お風呂の温度を2度あげてほしい、もう少し味付けをしょっぱくしてほしい、オムツは何時ごろ交換してほしいと言ってくれれば、自分たちもハッと気づくことができ介護の質が向上する」とおっしゃったのです。
 振り返るとこの発想はとても重要なものでした。後見人が介護の中身にまで関わることで、つまり、この人には後見人がついているという意識を持たせることで、施設職員による高齢者虐待なども減っただろうからです。しかし、残念なことに後見人の多くは、施設にお金を払うだけで現場を見に行きません。後見の主役である高齢者に会うのは年に1回、
しかも2〜3分というのはざらで介護の中身など見ていません。単なる費用の支払いマシーンの現状で、成年後見制度の強みが生かされていないのです。(略)
後見って、誰のためにあるのか、何のためにあるのだろうと意識して、本書を読んでくだされば幸いです。本来、護ってもらえるはずの成年後見制度から、自らのお金と身さえ自らが守らなければならない現状を踏まえ、制度が悪いのか、後見人が悪いのか、認知症になったり障害を持って生まれてきた人が悪いのかを考えていただきたいのです。
 後見制度は言うまでもなく、被後見人と後見人で成り立っています。ですから、弁護士、司法書士など後見人の方々や家庭裁判所など行政にも是非、読んでいただきたいのです。
現状の改善と向上に向け、それぞれの立場で行動を起こしてください。その方法について、順次各章で述べていきたいと考えています。とにかく行動することです。それによって、超高齢社会の公器である成年後見制度は健全に成長していくはずです。
「はじめ」により

【目次】

はじめに
序章 後見の基礎知識

第1章 今、なぜ後見制度が問題なのか

成長を止めた後見、政策的に増加する保佐・補助の利用
もはや衰退傾向の任意後見
配偶者と障害者の親御さんに愛想を尽かされた法定後見
市長申し立てランキング一位は福島県
8兆4千億円を848億円かけて管理する高コスト体質の後見
後見制度を使っても99・9%の確率で動かせる不動産と家族信託の今後

第2章 成年後見との後悔しない向き合い方
後見制度を使う必要度と費用の査定の目安
任意後見で失敗しない6つのノウハウ
親や配偶者が認知症の方へのアドバイス
子供に知的・精神障害がある親御さん、兄弟姉妹への助言
まだまだ元気なシニア層への提案

第3章 一緒に住めない、お金を使えない、深刻後見トラブルのなぜ?
スイスと米国の後見トラブル「亡命、無理心中、避妊器具装着」
日本における高齢者後見トラブル10選
日本における障害者後見トラブル10選
後見トラブル泣き寝入り、6つの後見対策

第4章 家庭裁判所は誰のためにあるのか
2012年の広島高裁判決から私たちが学んだこと
なぜ親族後見人は家庭裁判所から追い出されたのか
本来であれば裁判所が主導すべき監督業務の外注ラッシュの実態
障害者である姉にとっての過剰な負担は、なぜ起きたのか
家庭裁判所から勝手に当てがわれた監督人への5大対策
家庭裁判所に付き合わされる信託銀行と信用金庫業界
後見係の失態と執るべき対抗策

第5章 いわゆる専門職後見人の一部の呆れた実態
後見利益団体リーガルサポートの素顔10選
裁判所が決定した弁護士後見人による使い込み横領事件
身上監護は本人とお話をするだけ、と断言する大阪の弁護士
人としてまさかの悪条件を突きつけた弁護士後見人

第6章 清く正しい成年後見制度を目指すために
一緒になって後見利用を良くしよう
始まる!「みんなの成年後見センター」のプラン
後見人が必要かどうかを見極める後見業務のチェックリスト
おわりに

【著者紹介】

宮内康二(みやうち・こうじ)
1971年生まれ。
早稲田大学人間科学部卒業、南カリフォルニア大学ジェロントロジー(老人学)大学院修了。
株式会社ニッセイ基礎研究所研究員、東京大学医学系研究科および政策ビジョン研究センター特任助教を経て、一般社団法人後見の杜代表。
高齢者を元気にする仕事につきたいと考え、当時まだ珍しいジェロントロジーを学ぶため渡米。加齢のメカニズム、年を取ることの意味、高齢者が増える社会の課題やあり様を学びつつ、白人・黒人・アジア人の老人ホームを回り高齢者の悲喜こもごもの一端を垣間見る。
日本で、日本語で、日本のジェロントロジーを学べる場所を作りたい一心で、東京大学のジェロントロジー寄付研究部門の立ち上げに参画、企画・運営を担当する。
ジェロントロジーの体現化として力を入れたシニア層による市民後見活動の推進に並行し、成年後見制度のトラブル対応に挑戦していく過程で、高齢者のお金をめぐる周囲の人間関係のもつれに辟易するこの頃。NHKあさイチを含めメディア、執筆、講演多数。趣味ゴルフ(なかなか上手くならない)

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