発行日: 2008年12月3日(水)
定価: 本体1,600円+税
サイズ: 四六判上製
ページ数: 256ページ
ISBN: 978-4-903853-44-4
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【コメント】
司馬遼太郎、松本清張、和田芳恵、立原正秋、阪田寛夫、中上健次、有吉佐和子、
中里恒子、芝木好子、江藤淳、辻邦夫、大岡昇平、遠藤周作、中野孝次、合計14人の、
昭和を代表する高名な作家たちと、編集者である著者が、
一つの作品を創り上げるために全身全霊をかけて取り組み、渡り合った、
心と心の闘いの日々が記されています。
火傷しそうな熱い闘いは、まさに修羅場の体をなし、読む人の心を掴んで離さないはずです。
また、これまで決して明かされることのなかった作家の、一人の人間としての葛藤や確執など、
その尊厳に、より深く踏み込んだ活写は、息を飲むほどです。
さらに、芥川賞・直木賞の選考会の様子や、授賞決定から贈呈式、記者会見に至るまでの
秘話がふんだんに描かれていて、時代の証言者として、文藝ファンのみならず、多くの人々の
興味をそそる内容になっています。
著者は、大学卒業後、兜カ藝春秋に入社し、「文學界」「文藝春秋」「オール讀物」「週刊文春」の
各編集部、出版部に所属し、多くの作家のデビューに立ち会いました。
さらに、「別冊文藝春秋」編集長や、「文春文庫」部長も歴任しており、芥川賞・直木賞を主催する
財団法人日本文学振興会の理事・事務局長も兼ね、責任者として活躍してきました。
文藝春秋を退社後は、(社)松江観光協会の観光文化プロデューサーとして活動しています。
「人の体は食べたもので作られ、人の考えは人によって作られる」という。
編集者として文藝春秋で働いた三十八年間に、どれほどの人に会っただろう。
ここでは棺の蓋を覆った人のなかから、文藝関係の十四名の方々に、仕事を通して教えられたことを書いた。
私の消滅とともに無くなってしまうには惜しいと思ったからである。(あとがきより)
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