若倉雅登/著
『蓮花谷話譚 明治の高野山に女人医師』
若倉雅登/著
『蓮花谷話譚 明治の高野山に女人医師』
医療小説書き下ろし第2弾
発行日
: 2019年8月17日発売
定価
: 本体1,500円+税
サイズ
: 四六判並製
ページ数
: 264ページ
ISBN
: 978-4-86590-088-0
【内容】
現役の眼科医が描く女医を主人公にした医療小説
「高津川」「茅花流しの診療所」に続く、
注目の書き下ろし第3弾!
人は志を持つことで勁(つよ)くなっていく――。
女人禁制の里で、咲き、人に尽くして逝った
女医の48年の美しき生涯――。
僧侶は煩悩を抱える人と向き合い、医者は病を持つ人と向き合う
「女人禁制の高野山を舞台に志を一にした女医と僧侶の一代記。筆者が名医なればの筆致に惹かれた」
作家 山本一力 帯コメント
筆者は、日本の女性医師はその特性を生かして、もっともっと活躍できなければならないと、日ごろから思っている。「女性活躍社会」などという時代錯誤の標語が今頃出てくる日本社会を形作ったものは何なのだろう。今日よりも数層倍も女性の活躍が困難であった明治時代の女性医師たちは、どう生きたのかに関心を寄せてきた。
この物語は、その過程で出会った女人禁制の高野山に突如出現した実在の女性医師、花谷保枝をモデルにしている。彼女の基本的史実はできるだけ外さないようにしながら書き下ろしたフィクションである。
「付記より」
大阪で西洋医学を学んだ花谷保枝は、生まれ育った高野山の里へ戻り、開業をスタートした。だがその時代、女人禁制の高野山で、女性医師が開業することは困難をきわめたが、恩人で僧侶の法性宥鑁(ほうしょうゆうばん)の尽力によって辿り着いた。祈祷と漢方医学しか治療方法を知らなかった高野山で、保枝は多くの患者を治療し回復させ、最も恐れられていた伝染病の蔓延を食い止めてきたことで認められたものの、女性医師としての困難は続く――。その彼女の生涯を支えた僧侶の法性宥鑁との波乱に満ちた物語に、心を衝かれる。
【目次】
1池津川風土記
2檀家
3尋常小学校
4憂鬱
5転進
6大阪慈恵医学校
7緘黙
8転落
9解禁女人禁制
10四達
11激震
12発砲事件
13法性宥鑁(ほうしょうゆうばん)
14鶯谷
【著者紹介】
若倉雅登 わかくら まさと
1949年東京生まれ。北里大学医学研究科博士課程修了。グラスゴー大学シニア研究員、北里大学助教授を経て、2002年から井上眼科病院(お茶の水)院長。12年から同名誉院長。日本神経眼科学会理事長、東京大学医学部非常勤講師、北里大学医学部客員教授などを歴任。専門は、神経眼科、心療眼科。週前半に特別外来を担当し、週後半には講演・著作活動、ボランティア活動に取り組む。著書に「医者で苦労する人、しない人」「絶望からはじまる患者力」(春秋社)、「心療眼科医が教える その目の不調は脳が原因」(集英社新書)、伝記的医療小説「茅花流しの診療所」(青志社)など多数。
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