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シェルビー・スティール/著 松本剛史/訳 
『オバマの孤独』
ノーベル賞作家ドリス・レッシングも「オバマは大統領になると暗殺される」と警告。
アメリカ社会最大のタブー「人種問題」に迫る!

発行日: 2008年04月05日(土)
定価: 本体1,200円+税
サイズ: 新書判上製
ページ数: 184ページ
ISBN:978-4-903853-22-2

【コメント】
 2008年アメリカ大統領選挙の民主党候補争いで、ヒラリー・クリントンと壮絶な指名権争いを繰り広げているバラク・オバマ上院議員。
 そのカリスマ性からアメリカ史上初の黒人大統領への機運が高まっているが、そこには人種問題という大きな闇が潜んでいる。  本書では、表向き解消されたと思われている人種差別が、未だにアメリカ人のなかに根深く存在し、アメリカ社会最大のタブーとなっている事実を明らかにする。

 オバマは黒人の父と白人の母の間に生まれた混血であるため、どちらの人種にも属することのできない孤独を味わっている。
 アメリカの主流白人社会に取り入れられるために、「黒人らしく生きる」アイデンティティを封印すれば黒人からの反発を受け、逆に黒人らしさを強調すると心の片隅に今も差別意識が残る白人たちからの支持を失う。混血である彼はいわば二重の拘束を受けた人間である。

 黒人大統領を阻止するため、暗殺を企てる過激な白人至上主義者は今もなお存在する。オバマが大統領となることでアメリカ社会が断絶する可能性もあるのだ。  本書の著者は、オバマと同じく混血という背景を持ち、自身の経験から、オバマとアメリカ社会に警鐘を鳴らしている。ルイ・アームストロング、ビル・コスビー、オプラ・ウィンフリーなど、白人にも受け入れられた黒人となるのか、あるいは白人社会に対抗し、黒人の権利を唱える黒人運動指導者たちのようになるのか、著者はオバマに選択を迫っている。

 今後のアメリカ政治の行方を占う上で、日本人も知っておかなければならない「アメリカの真実」が描かれている。

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